発達障害のお子さんは身体の反応が遅い子が多いです。
目次
- あれ?ボールが捕れない!
- 身体が連動しない
- どう動いているか?
- 何故動けないのか?
- では、どうすれば出来るようになるか?
- 快刺激
あれ?ボールが捕れない!
例えばD君は名前を呼ばれてからボールをひょいと投げ渡された時に両手でパシッと受け取るなんてことがとても苦手。
リズムで言えば2段階遅い感覚で「惜しい!」とかでなく、それじゃ取れないよなと思ってしまう動き。
耳から入った声、飛んでくるボール、動かさなければならない腕など情報の情報を処理し切れず半ばやけくそに腕を動かしています。
そして必ずやボールはポロポロと片手、両手から落ちて床で跳ねてしまう。
遊びの中で2,3回でそのようなことがあると、同級生であればもうD君にはボールを回さなくなってしまいます。
D君は思うのです。何故僕のところにボールは来ないんだろう?
身体が連動しない
発達障害、自閉症の子は協調運動が苦手、とよく言われますよね。
不器用、運動神経が悪いとも。
しかしこの運動神経、協調運動は改善しないのでしょうか?
そもそも運動神経、協調運動を改善させようという発想が無いのだと思いますね。だから身体を連動して動かすというところまで話がいかない。
小さい子供も遊びや人の動きの模倣などから身体の連動性を学び、練習します。
協調運動、連動が遊びの中で強化されます。
遊びや模倣の中の協調運動としては首、肩、両手、肘、両手首、膝、両足、両足首、腰、腹、背中、尻、鼠径部など連動させたりする箇所は多々あります。
鍛錬された協調運動、連動が様々な場面で発揮されていきます。
ですが、発達障害のお子さんは強化、鍛錬されずいきなり放り出されます。
どの分野でもやりましょう、やれませんの世界で戸惑うわけです。
どう動いているか?
ボールを受け取る動作の始まりは腕をロボットのように出すところから始まるでしょうか?
運動の出来る人はまず、目から入った情報を瞬時に分析し、どの位置にボールが来るか?を推定してから足から全身への連動を使い最終的に腕でキャッチします。
ところが発達障害のお子さんは腕の上げ下げだけでボールを取りに行こうとするのです。
腕だけ動かせば良いという「決まり」と身体全体を使わない動き方。
ボディー・イメージが薄すぎること、この動きの時はこう身体を動かすという感覚(身体全体で動くプログラミングが出来ていない)が希薄な為、身体のごく一部だけを使って行動に入る感じです。
何故動けないのか?
多くの協調運動は脳と身体にあらかじめプログラミングしておかなければ動けないのです。
これは誰でもそうだと思います。
しかし、大体の子どもは小さい時からそれを積み上げていきます。たくさんの遊びの中で自然に身に付けていくのです。
発達障害のお子さんは自力でそれを積み上げられません。
そうなると上手くいかないからやらなくなるし周りも遠慮してやらせない。鍛え方も教えない、教えられない。すると更に差がついて嫌になるし出来なくなる。
では、どうすれば出来るようになるか?
自然に連動出来る動きを身体に憶えてもらえば良い訳です。
スイッチが切れている様な所を探してオンにすることから始めます。
身体全体に刺激を入れていく作業を行っていきます。
まずは金魚体操でも良いですし、足裏のマッサージからでも良いでしょう。
首、肩、両手、肘、両手首、膝、両足、両足首、腰、腹、背中、尻、鼠径部などパーツをバラバラにして考えると良いでしょう。
何とか方法に頼らなくても大丈夫です。使えてない所を使えるようにする。連動がスムーズになされるようにしていくことを心掛けます。
快刺激
子どもさんにとってそれが快刺激ならしめたものです。というより動かしたかった場所であることが多く、快刺激である場合が多々あるのです。
動かした事のない身体の部位を気持ちが良いから駆動させるのです。
無理して出来ないことをしなくても良いと思います。でも、可能ならば出来たほうが楽しいことが増えるはず。
シングルタスクとかマルチタスクなどの話にも通じてくるかもしれません。
伸びは誰にも分からないのです。
どんどんトライしたいですね!